人間の体で考えてみてください。
転んで擦り傷ができても、たいていの場合、ヨードチンキを塗っておけば治ります。
体は骨が折れても、ギブスをしておけば骨ができて治ります。
歯は他の体の組織と異なり、自浄作用(自分で良くなる能力)がないのです。
ですから、悪くなったら、悪い部分を削り落として、人工の物で補うしかないのです。それは例えるなら、転んで擦り傷ができてしまったら、その部位を手術で取り除いて、人工の金属でできた皮膚などをつけるしかないと置き換えたらどうですか?
考えただけでも恐ろしいですよね。
1本の歯が治療できる回数は、3~4回です。特に神経を取った歯の寿命はかなり短くなってしまいます。というのは、神経がなくなるというのは木で言えば枯れ木と同じような状態になってしまうのです。そのようになっても、「咬む」「食べる」「しゃべる」などの基本的な機能を回復させることはできますが、耐久性が断然、悪くなってしまうのです。
何か強い衝撃が加わったり、硬いものを咬んだ拍子に歯が割れてしまう、折れてしまうこともあるのです。
ですから、「機能を回復させる」ということはできても、悪くなってしまった歯を治すということはできないのです。